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逃避行 篠田節子著

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最初 タイトルを見たときに 恋愛物か 犯罪ものと思った
違ったが まるで 昔のTVドラマ 逃亡者

主人公は 住宅街の中年の専業主婦
可愛がっている飼い犬のゴールデンレトリバーが 隣家の子供をかみ殺したと言う衝撃的なシーンで始まる
ブロック塀を乗り越えて庭に入り いつも悪質ないたずらを イヌに仕掛けていた
その日も イヌの目の前で癇癪玉を破裂させ 反撃に出た犬に首を噛まれて死んだ。

法律的には まちがった飼い方をしていたわけでなく罪にはならないようなのだが マスコミが押しかけ 脅迫電話などもかかり イヌを処分しなければと言う状況になる
主婦は 最近体調も悪く 夫ともしっくりいっていないし 成人した娘たちも親身になって相手になってくれない毎日を イヌを相手に過ごしていた
イヌを処分することには耐えられない彼女は 夫の貯金通帳(2000万円)を持ち 明け方にそっとイヌを連れて自転車で家を出る

雪の降ってきた峠道で 大型トラックに拾われ 載せてもらう
鮮魚を運ぶトラック便を乗り継いで 神戸の郊外に住む姪の所までたどり着き 貸し別荘を借りる
そこも夫に知られ逃げ出して たどり着いた'田舎暮らしの村'の空き家を借りてすみ始める
家財道具一式置いたままの空き家 
バブルの頃は 工房や田舎やレストランといったものもあったのだが 今は少し変った陶芸家がいるだけで 生協まで徒歩1時間と言う山奥
生協のあるあたりは 一角だけの密集した新興住宅地だ
近所に住むのはちょっと変った陶芸家だけだ

畑で野菜を育て犬と生活を始めた彼女 
そんな山奥までおってきた週刊誌の記者

記者の関心は どうしてそこまでするのかいうものだった

いま ペットの占める位置は とても高い
1にヨン様 2がワン様と言う人もいる だんな様は圏外だ
私も父親が犬が好きだったので 常時何匹も犬がいるような家で育った
でも 昔はそういう風な濃厚な関係ではなかった
あくまで犬は犬 人は人だった

私が彼女の立場なら 如何するだろう
ここまではやれないと思う
一晩か二晩 泣いて 獣医に頼むって所だろうか

意外な結末で終わるのだけれど いろいろ考えさせられる本だった
篠田節子はデビュー作の「絹の変容」から読んでいて好きな作家だ
時間を損したと感じたことは一度もない
いつも社会現象のようなものを上手く取り込んで それでいて読みやすい本になっている

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